リバネス研究費

2026年9月公募第74回リバネス研究費

第74回 プランテックス先端植物研究賞

現在募集中です。応募締切:2026年10月30日(金)18:00まで

植物の生産性や機能性を高めるあらゆる研究

植物の生産性や機能性を高めるあらゆる研究を募集します。光、灌水、施肥などの栽培環境の調節に加え、微生物、センシング、AIなど異分野の知識や技術を取り入れ、水耕・養液栽培の可能性を引き出す研究テーマを歓迎します。

設置企業・組織 株式会社プランテックス
設置概要

採択件数:若干名

助成内容:研究費50万円、Type XSの栽培試験環境を提供

スケジュール 応募締切:2026年10月30日(金)18:00まで
審査結果:2027年2月上旬にご連絡予定 
募集対象 ・大学・研究機関に所属する40歳以下の研究者
・海外に留学中の方でも申請可能
・研究室に所属して研究を始めていれば、学部生からでも申請可能
担当者より一言
プランテックスは環境制御性能を高めた独自の植物工場システムの普及を目指し事業展開しています。植物研究の成果を、植物工場での量産につなげる技術の開発に力を入れてきました。本研究費では、植物の生産性や機能性を高めることを目指す先進的な研究テーマを幅広く募集します。研究を通じて、環境制御によって植物の新たな機能や価値を引き出す知見が生まれ、植物工場における栽培対象や用途の拡大につながることを期待します。

研究応援プロジェクト参加企業との連携を希望するあらゆる研究

設置企業インタビュー記事
黒田凌 氏

植物の力を引き出す「栽培レシピ」

プランテックスが研究者と拓く植物工場の未来

株式会社プランテックス
研究員 黒田 凌 氏

植物工場と聞くと、レタスなどの葉物野菜を育てる水耕栽培施設を思い浮かべるかもしれない。しかし今、その役割は変わりつつある。「植物の新たな可能性を引き出すためのプラットフォーム」の共創を掲げる株式会社プランテックスは、精密な環境制御により、植物が秘める力を解放しようとしている。本研究費で求める研究や出会いたい研究者について、研究員の黒田凌氏にお話を伺った。

研究を社会実装へつなぐ植物栽培装置

 プランテックス先端植物研究所には、小型の植物栽培装置「Type XS」が40台ほど並ぶ。装置ごとに光や温度、湿度、CO₂濃度、養液などを精緻に制御し、同時に多数の栽培試験を行うことができる。環境の違いによる生育や機能性成分の変化を比較し、狙った特性を引き出す栽培レシピを設計する。2026年7月には、東雲実証拠点が開所した。同拠点では、先端植物研究所で見いだした栽培レシピを用いて、実際の生産に近い規模でも狙った生育や品質を再現できるかを検証する。これにより、Type XSによる栽培レシピの設計から、実証拠点での再現性や生産性の検証までを一貫して進める体制が整いつつある。

植物の新たな価値は環境設計から生まれる

 プランテックスが目指すのは、植物が本来備えている力を引き出すことである。栽培環境を制御することで、機能性成分の含有量を高めたり、味や香りを変化させたりする。対象とするのは食品だけではない。医薬品や化粧品の原料となる植物への展開も探っている。同社は、2023年5月からロート製薬、医薬基盤・健康・栄養研究所との共同研究で、水耕栽培が難しいオタネニンジンの栽培に成功し、栽培期間の短縮にも取り組んできた。また、これまで同社が設置した研究費において、薬用植物の水耕栽培や、植物生体を非破壊でセンシングする手法など、植物の新たな栽培や計測技術に関する研究が採択されてきた。「環境条件によって植物の収量や機能性成分を増加させるだけでなく味、香りがどう変化し、どのような可能性を生み出せるのか。それを一緒に探究してくれる研究者に、ぜひ応募してほしいですね」と黒田氏は語る。植物工場は、単に葉物野菜を育てる施設から、精密な環境制御によって植物の新たな特性を引き出し、研究成果を社会へつなげる場へと役割を広げている。

異分野が植物研究を加速する

 今回の研究賞では、植物科学に限らず、多様な分野からの申請も期待している。例えば、微生物、センシング、AI・機械学習など、従来の植物工場の研究にとらわれない視点からの提案も歓迎している。「植物の力をさらに引き出すには、異分野の知識や技術を取り入れ、生育や環境応答を新たな方法で捉えることも必要です」と黒田氏は話す。
 採択されたテーマは、同社の先端植物研究所での検証へ発展する可能性もある。「私たちが知りたいのは、『どう育てるか』だけではなく、『育てることで何を生み出せるか』です。異分野の視点を持つ研究者との出会いを楽しみにしています」と黒田氏。栽培装置を用いて得られた知見は、植物工場だけでなく、施設園芸や露地栽培、苗生産などにも展開できる。研究者の発想とプランテックスの環境制御技術を掛け合わせることで、植物研究の領域はさらに広がっていく。本研究賞が、これまでにない用途を見いだし、その成果を社会へ届ける共創の出発点となることを期待している。(文・井藤賀 操)

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